【ばんえい競馬】　厩務員が足りない問題～求人と給与～

現状の流れのまま、ばんえい競馬の売上が上がると、賞金も上がってきますので、新規参入の馬主さんが増えてくると思います。

本サイトもそのために立ち上げました。

そうなると問題になってくるのが、馬が増えることによる馬房問題及び厩務員不足問題です。

賛否両論ありそうですが、厩務員募集の求人から、労働環境及び所得について見ていきたいと思います。

公式ページの求人情報はこちら（ばんえい十勝調教師会）

厩務員の魅力・最新の情報についてはこちら

厩務員給与シミュレーション（2022.6.9追記）

求人情報及び生活費のシミュレーションを行います。

就職にあたって、何かしらのお役に立てればと思います。

シミュレーション条件

ばんえい競馬の騎手は、体重制限が７７Kgですので、他場の厩務員さんも、将来の騎手や調教師を目指してほしいですね。

シミュレーション内容

参考ページの家計を月額に直し、支出と収入のバランスを見てみます。

支出

できる限り、支出は多めに計算したいので、住居費や光熱費以外は、平均値をそのまま持ってきています。

実際は、交通費とかは下がると思いますが。

項目	帯広市平均月額（千円）	厩務員時　月額（千円）
食費	42	42
水道光熱費	14	3（ガス分だけ）
住居費	25	0
医療費	9	9
被服費	6	6
交通通信費	20	20
趣味・娯楽費	19	19
家具・家事用品	5	5
雑費	26	26
合計	166	130

１３万円を見ておけばいいと思います。

収入

調教師さんによって少し提示額が違いますが、大体、基本給手取りで１３万～１５万ぐらいに収まりそうです。

ここに手当がついてきます。

厩務員手当は、馬の成績によって変わりますが、今回は馬の成績は全くダメという仮定に基づいて計算します。

ばんえいの場合、基本的に月２回出走ですので、担当馬４頭で８回分となります。

６着以下で７千円ですので、５万６千円となります。

税金を除いた総手取りは、１５万５千円～１７万３千円ぐらいになります。

シミュレーション結果

収入マイナス支出は、プラス２万５千円～４万３千円程度となりました。

ちなみに、夫婦世帯となると、支出が倍、収入も倍なのでバランスは変わりません。

ただ、子供ができると、なかなか厳しいかな・・・という印象を受けます。

求人情報

現在、ハローワークなどに掲載されている厩舎からの求人情報です。

厩舎	基本給	手取り（税引）	休暇	その他
A	15~20	12.5~17	火曜日
B	15~18	12.5~15	火曜日又は週1日	賞与年1～2回
C	15~	12.5~	火曜日
D	17~28	14.5~23.5	火曜日	昇給金額／昇給率 1月あたり5,000円〜10,000円（前年度実績）
E	15~25	12.5~20.5	週1日	家族手当　月20,000円

基本的なところは共通です。

• 週休１日
• 基本給は１５万スタートぐらい
• 固定された賞与は、一部厩舎で実施
• 主催者から一定の厩務員手当あり（後述）

厩舎で考案したと思われる家族手当を出しているのが、１厩舎しかなく、求人の内容も厩舎毎に変わったところはありません。

Ｄの厩舎が光って見えますね(^^;

所得

税引きの手取りから考えると、企業の新入社員同等の給与体系です。

ただし、帯広競馬場全体として、以下の決まりがあります。

• 住み込み可能（単身用・世帯用居室あり）
• 【無料】家賃・電気・水道・共同浴場
• 【自己負担】ガス・灯油・競馬場関係者専用食堂
• 寮・社宅・住宅手当あり

家賃＋光熱費が出るので、都内で考えると手取り＋８万ぐらいで考えれば良いですね。

給料はどこから来るのか

前提

そもそも給料はどのように決められているのかを説明します。

厩舎はそれぞれ独立した会社のようなもので、調教師が社長です。

厩務員は調教師に雇われていると考えてください。

調教師の収入が厩務員の給料に直結します。

なお、厩務員手当という仕組みがあり、自分の管理馬が出走した場合、６着以下でも７千円。１着で１万５千円が支給されます。

４頭管理しているとすると、月２走で、５万６千円～１２万円支給されます。大きいですね。

給料の源泉

調教師の収入は、大部分が預託料からなっています。

預託料が高い競馬場は、調教師の収入が大きく、厩務員の給料に反映するという仕組みです。

給料計算

調教師に入る収入について計算をしてみたいと思います。

帯広競馬で新築された厩舎が２４馬房ですので、MAX２４頭預かっているとします。

基本預託料が１３万であれば、合計３１２万円です。

１人で４頭の面倒をみるとすると、最低６人の厩務員が必要です。

通常、会社の人件費割合は５０％以下が望ましいとされているので、３１２万円の半分は１５６万円。

１５６万円を６で割ると、２６万円となります。

現在の預託料で、人件費５０％なら、給料のMAXは２６万円となります。

求人情報の相場は、この数字と関係していると思われます。

１人の厩務員が面倒を見る頭数は決まっているわけですので、厩務員を減らして、給料を上げるというわけにも行きません。

他の競馬場に比べると、少ないと言わざる得ません。

改善点

主催者にお願いしたいこと

厩務員手当の値上げ

前述の通り、調教師の収入にも上限があるので、給料自体を上げるのも難しい状況です。

主催者から出ている手当を増額願います。

名目は考えないといけませんが、ナイター手当でもなんでも良いと思います。

一回上げたら下げれないという気持ちもわかりますが・・・

出走手当の引き上げ

主催者から手当を出すことに問題がある場合、純粋に出走手当を上げるのも有効かと思います。

出走手当とは、馬主にとっては必ず固定で入ってくる収入になります。

出走手当増加分の半分を、預託料に反映させるのはどうでしょうか。

出走手当が１万円上がると、月２走で２万円、馬主の収入が増えることになります。

連動して、預託料を１万円上げれば、２４頭で月額２４万円の収入アップとなります。

人件費として５０％を厩務員に当てれば・・・単純計算で、月額２万円の給料アップです。

厩務員→騎手、調教師へのステップアップをアピール

中央や他の地方競馬と違い、厩務員から騎手になれるというのは、大きなアピールポイントだと思います。

体重制限が緩いこと、調教師へのステップアップも可能なことをもっとアピールしてほしいと考えています。

騎手から調教師になるルートが多い印象ですが、外部から人を入れるという意味でも重要なポイントだと考えています。

かなり魅力的なコンテンツだと思うのですが、どうでしょうか。

調教師の先生にお願いしたいこと

求人募集

もう少し気合を入れて書いて頂けると助かります。

どの厩舎も同じような文面で書かれており、特色もなく、余計に就職先の選択肢に入らないのでは無いでしょうか。

難しいのかもしれませんが、ばんえい十勝のＨＰへの掲載やネット媒体での募集に取り組んでいただけないでしょうか。（これは主催者側かもしれませんが）

厩舎生活のアピール

厩務員生活自体が、勤務時間や週休１日制の募集要項に押しつぶされて、本来の魅力が消え去っているように思えます。

私が大学生のときに、今の求人情報から得られる情報では、絶対に応募しません。

レンタルサーバ代だけ出してくれるなら、この際、私がホームページとか事務作業はやるので（笑）、どんどん外部に写真や動画などを出していってほしい気持ちです。

調教師の仕事じゃないと言われるかもしれませんが、求人する側なので、なにか方法を考えて頂けると助かります。

以上、求人情報を調べたら、流石に・・・だったので書かせていただきました。

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