【ばんえい競馬】 馬主は儲かるのか(収支シミュレーション)
ばんえい競馬の馬主さんが近くにおらず、どれぐらいの費用がかかるんだろうか、競走馬を1頭持つのは大変だろうかとお悩みの方は多いかと思います。
ばんえい競馬にて、競走馬を1頭持った場合、どのような収支になるのかをシミュレーションします。
ばんえい競馬に限らず、馬を持つときに必要な費用は共通の部分が多いため、他の競馬場でも預託料や出走手当を変更することにより応用可能です。
目次
馬主収支シミュレーション 前提条件
以下のパターンについて、シミュレーションをしていきます。
デビューまでの流れは統一します。
時期 馬の購入~デビュー
以下のように仮定します。最も費用のかかる流れです。
・1歳の8月に購入
・1歳8月~12月までは生産牧場に預託
・2歳1月から入厩
・2歳4月からの能力検定を受験、8月に合格(※1)
・9月からレース出場
費用 馬の購入~デビュー
それぞれの費用は、以下のように仮定します(基本的に費用は高く見積もっています)
・馬購入金額は250万円
・生産牧場の預託料は月8万円
・厩舎の預託料は月13万円+蹄鉄費・医療費3万5千円
4つのシミュレーションパターン
シミュレーションですので、最悪のパターンから最高のパターンまで4種類に分けて計算してみます。
1.(※1)の能力検定を4月~10月まで受けたが、合格ができなかった
2.能力検定合格後、3歳末まで競争生活を続けたが、C1クラスで終えた
3.能力検定合格後、5歳末まで競争生活を続け、B2クラスで終えた
4.能力検定合格後、7歳末まで競争生活を続け、オープンクラスで終えた
もちろん、1が最悪のパターン、4が最高のパターンです。
クラスは、9つに分かれています。
- C1~C2
- B1~B4
- A2~A1
- オープン
能力検定に合格できず、引退した場合
馬主としては考えたくないですが、最もマイナスが大きいパターンです。
競走馬自体になれなかったため、賞金は0となります。
費用項目 | 支出 | 収入 | 詳細 |
馬購入 | 250万 | - | |
生産牧場 | 40万 | - | 8万円×5ヶ月 |
厩舎預託 | 165万 | - | 16万5千円×10ヶ月 |
引退時精算 | - | 180万 | 2歳馬平均 |
合計 | 455万 | 180万 | - |
他の競馬場に比べて、かなりマイナスが抑えられます。馬の購入代金がほぼ最大のマイナスになります。
引退時精算がサラブレッドと違い、かなり高額なため、馬主としては非常に助かることになりますね。
3歳末まで競争を続けた場合(C1クラス)
無事、能力検定に合格し、デビュー後、2歳・3歳と競走馬生活を送りましたが、C1クラスで引退したパターンです。
3歳以上500頭に対し、上から数えて400番目ぐらい入った場合になります。
年間出走回数は21回とします。
費用項目 | 支出 | 収入 | 詳細 |
馬購入 | 250万 | - | |
生産牧場 | 40万 | - | 8万×5ヶ月 |
厩舎預託 | 363万 | - | 16万5千×22ヶ月 |
出走手当 | - | 220.5万 | 7万*12走 6.5万*21走 |
賞金 | - | 120万 | 手取り賞金 |
引退時精算 | - | 150万 | 3歳以上平均 |
合計 | 653万 | 490.5万 | - |
馬主収支は、マイナス162.5万となります。
下から2つ目のクラスですが、年間収支はプラスとなり、デビューができれば、馬代金を含めたマイナス自体は減っていきます。
5歳末まで競争を続けた場合(B2クラス)
5歳末まで競争を続け、上から数えて150番目ぐらいの成績を収めた場合です。
費用項目 | 支出 | 収入 | 詳細 |
馬購入 | 250万 | - | |
生産牧場 | 40万 | - | 8万×5ヶ月 |
厩舎預託 | 759万 | - | 16万5千×46ヶ月 |
出走手当 | - | 493.5万 | 7万*12走 6.5万*63走 |
賞金 | - | 270万 | 手取り賞金 |
引退時精算 | - | 150万 | 3歳以上平均 |
合計 | 1049万 | 913.5万 | - |
競争生活を4年間続けることができました。
馬主収支は、マイナス135.5万となります。
真ん中ぐらいのクラスで、年間収支はプラスですが、馬代金を回収するのは、かなり難しいことがわかります。
馬主収支 プラスマイナス0分岐点
5歳末まで競争を続けた場合、馬購入費から全部含めて、馬主収支プラスマイナス0になるのは、
500頭中50番目ぐらいとなります。(約10%)
ここまで成績が上がっている場合は、繁殖などの道も開けていると思います。
実際は引退時精算が大きく、大きくプラスになる可能性も高いです。
7歳末まで競争を続けた場合(オープンクラス)
オープンクラスまで実力を伸ばした名馬を所有した場合です。
現役引退後、種雄馬や繁殖としての価値が高いため、別途取引が行われますが、馬ごとに相場も変わるので、???としてます。
費用項目 | 支出 | 収入 | 詳細 |
馬購入 | 250万 | - | |
生産牧場 | 40万 | - | 8万×5ヶ月 |
厩舎預託 | 1155万 | - | 16万5千×70ヶ月 |
出走手当 | - | 766.5万 | 7万*12走 6.5万*105走 |
賞金 | - | 850万 | 手取り賞金 |
引退時精算 | - | ??? | |
合計 | 1445万 | 1616.5万+??? | - |
馬主収支は、プラス171.5万+???となります。
オープンクラスでも、トップ5になれば、
プラス1500万~2500万+???と夢のある数字になります。
まとめ 馬主は儲かるのか
収支 | 備考 | 順位(500頭中) | |
パターン1 | マイナス275万 | 能力検定不合格 | - |
パターン2 | マイナス162.5万 | C2クラス | 400位 |
パターン3 | マイナス135.5万 | B2クラス | 150位 |
パターン3’ | 0 | A2クラス | 50位 |
パターン4 | 171.5万+??? | オープンクラス | 25位 |
パターン4’ | 1500~2500万+??? | トップ5 | 5位 |
シミュレーション上、馬の購入代金≒最大のマイナスから始まり、徐々にマイナスが減少していき、50位ぐらいでプラスマイナス0となります。
他の競馬場よりかはマシかもしれませんが、馬主はなかなか儲かるものではありません。
自分の馬が走ることに喜びを見出し、普段会えない人と繋がることが楽しみです。
今回のシミュレーションでは、毎月蹄鉄費や医療費を加算し、年間出走回数も少なめに計算してるので、実際はもう少し改善するかもしれません。
今後、ばんえい競馬への参入を考えている馬主様のお役に立てれば幸いです。
管理人
-
地方馬主が増えている中、まったくばんえい競馬が話題にならないことが悔しくて、サイトを運営開始。
2022年、ジェイジャックのオーナーとなりました。
ばんえい競馬を愛する人が一人でも増えるように地道に活動中。
ばんえい競馬はいいぞ。ばんえい競馬はいいぞ。ばんえい競馬はいいぞ。
最新の投稿
- ばんえい競馬2024年9月8日【ばんえい競馬】 生産牧場紹介 「安藤牧場(釧路)」
- 所有・共有馬2024年8月21日2024年生まれ 当歳共有のお知らせ(サクラモモの2024)
- 地方共有クラブ2024年8月21日Q&A 新企画(釧路生産馬共有)における馬主収支について
- 所有・共有馬2024年8月8日2024年生まれ 当歳共有のお知らせ(デスティニーの2024)