馬の購入方法として、ばんえい競馬の馬市場について説明します。
基本的な情報として、以下のポイントを抑えて下さい。
・サラブレッドと違い、競走馬専用のセリはない
・馬は家畜として捉えられており、牛や豚と同様の市場で売買される
・セリの競争相手は、熊本に代表される食肉業者が中心となる
・競走馬購入先として、馬市場を利用している馬主は少ない(庭先取引が中心)
・競走馬としての相場は、馬市場の取引価格+100~200万程度になることが多い
「競争馬として買おうとしている馬主」と「食肉として買おうとしている業者」、観点の違う2者の間でセリが行われることになります。
参加にあたっては、今年の相場を元に、落札予定価格を考える必要があります。
庭先取引で馬を購入する場合も、適正価格を知るために、市場相場を知っておく必要があります。
目次
馬市場、開催時期
競走馬として、ばん馬を購入できる市場は2箇所、年間6開催です。
ホクレン農業協同組合連合会が主催しており、十勝市場と釧路市場が開催されています。
時期は、2月、8月、10月となり、競走馬として購入する場合は、それぞれの月で狙う馬齢が変わります。
2月 | 新1歳が上場される(入厩まで1年ぐらい) |
8月 | 1歳が上場される(入厩まで数ヶ月) |
10月 | 新当歳が上場される(入厩まで1年半ぐらい) |
現状、食肉としての人気が上がっており、馬齢に関係なく、どんどん売れてしまうのが現状です。
カタログ、及びネット上の情報から少しでもいい馬を見つける方法を考えています。
2022年2月馬市場に参加します
2022年2月24日開催のホクレン馬市場に参加します。
名簿の見かたや実際の参加記録を紹介しています。
2021年 馬市場相場
各馬ごとの売買価格などは公表されませんが、
2021年8月市場においては、詳細なデータを頂くことができましたので、基準としています。
年々、落札価格は上がっており、来年も同様の傾向が続くと思われます。
なお、サラブレッドと違い、メスがオスよりも高くなる傾向があります。
2020年 8月 | 平均価格 メス140万、オス125万 最高価格 メス176万、オス165万 |
2021年 8月 | 平均価格 メス160万、オス142万 最高価格 メス178万、オス192万 |
2021年10月市場でも同様に、前年より、20万~30万程度高くなっています。
2021年の相場では、性別に関係なく200万程度が落札予定価格になります。
2022年 馬市場相場
当歳と1歳馬が多く上場される10月の相場を見てみましょう。
当歳・1歳・古馬(3歳以上)、メス・オスごとに見ていきます。
また、釧路・十勝市場の結果を合算しています。
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
当歳メス | 102 | 131.7 | 141.8 |
当歳オス | 94.6 | 127.5 | 138.4 |
1歳メス | 142.5 | 176.7 | 185.3 |
1歳オス | 150 | 157.3 | 187.2 |
馬の値段が年々上がっている原因は、コロナ・戦争による馬の輸入の減少、円安による輸入費用の増大が挙げられると思います。
馬市場・庭先取引ともに、馬の値段(原価)が上がることになりますので、馬主としては、収入(賞金・出走手当)の増額が無いと、厳しい状況になってくると思われます。
馬市場参加にあたっての参考情報
初めて馬市場に参加する方に向けて、馬市場の特色やカタログを見る際に必要な血統情報を記事にしています。
馬市場に興味がある方、参加を検討している方はぜひ参考にしてください。
馬市場開催場所など
馬市場の開催日時、場所は、ホクレン家畜市場情報ページに最新情報があります。
十勝市場が上場頭数も多く、交通の便も良いです。
市場自体の映像ですが、Youtubeに馬市場に参加された方の動画ありますので、参考にしてください。
(6分25秒ぐらいからセリ会場の風景)
その他:馬市場参加にあたっての注意事項
☆馬市場参加前にやらなくてはいけないこと(前準備)
市場に参加するには、事前に予納金を収める必要があります。
予納金は、当日に現金で支払う・事前に指定口座に振り込むという方法があります。
振り込みを行う場合は、こちらの口座を事前登録する必要があります。
これは、予納金を使わなかった・余った場合の返金用口座です。
また、ホクレンへの購買登録も必要です。
どちらも、市場開催前に手続きを終える必要がありますので、参加する馬市場の1ヶ月前ぐらいには手続きをしましょう。問い合わせをすれば郵送していただけます(FAXも可)
予納金は、自分が落札する金額相当です。
現在の相場ですと、一頭あたり250万円ぐらいを想定しておく必要があります。
振込先銀行は、北海道信連本所(JA)と北洋銀行です。
ご自身のメインバンクやネットバンクからから振込できるか事前確認をお願いします。
①購買馬の引き渡し
市場開催日当日引き渡しです。
サラブレッドと違い、生産牧場→育成牧場という流れが基本的にありません。
購入前に販売元の牧場と交渉しておく必要があります。
当歳であれば一定の期間牧場に預かってもらう、1歳であれば入厩までどうするかを相談しておく必要があります。(調教師も決めておく必要があります)
②セリの方法
セリはセリスイッチというのを、首から掛けて、ボタンを押す形になります。
スポッターがいるわけでもなく、声を上げたりするわけでもありません。
ボタンを押し続けていると価格が上がり続け、離すとセリから降りたということになります。
そのため、誰と競っているのかがわからない仕組みになっています。
電光掲示板に、2人で競っている場合は「2」、3人以上の場合は「3」と表示される仕組みになっています。