ばんえい競馬では、生産者の祭典として、ばんえいグランプリという重賞レースがあります。

ばんえい版ブリーダーズカップとなり、レースに出場する馬はファン投票で選ばれます。

2021年にばんえいグランプリのファン投票1~10位、及び2歳注目馬に選ばれた馬の生産牧場をまとめました。

現在の生産牧場の実情や規模などが把握できるかと思います。

将来的に、庭先取引を考えていくためにも、生産牧場の基礎知識として参照いただければ光栄です。

2021年産 生産地・生産牧場等に関する情報は、「【ばんえい競馬】2021年生まれのばん馬から見る生産地・種雄馬傾向」へ。

食事中 仔馬

令和2年度ばんえいグランプリ 出場馬の生産牧場情報

ばんえいグランプリファン投票上位(五十音順)の生産牧場情報です。

注目していただきたいのは、兼業として生産を行っている牧場も多く、生産頭数が少ないところが多いこと。

サラブレッドとは、異なる市場規模だということがわかって頂けるかと思います。

牧場規模の大小に関わらず、名馬が排出されるというのが、社台以前の中央競馬を見ているようで、魅力的に思えませんか?

馬名生産地生産者
(敬称略)
繁殖頭数年間平均
生産頭数
アアモンドグンシン江差町山田 常雄10頭6~7頭
アオノブラック標茶町山口 和子
ウンカイタイショウ足寄町宮口 考治3頭3頭
キタノユウジロウ足寄町辻農場1頭1頭
センゴクエース滝上町芝桜高橋牧場2頭1頭
ブチオ白糠町山田畜産6頭3~5頭
ミスタカシマ本別町本寺牧場10頭8~10頭
ミノルシャープ音更町高山 範久1頭1頭
メジロゴーリキ幕別町佐渡農場4頭1~3頭
メムロボブサップ芽室町竹澤 一彦12頭7頭
2021年ばんえいグランプリ ファン投票上位馬生産牧場

生産牧場の情報に関しましては、ばんえい十勝公式Youtubeから取得しています。

令和2年度2歳注目馬の生産牧場情報

2021年8月に選出された2歳注目馬の生産牧場情報です。

生産牧場の情報に関しましては、同じくばんえい十勝公式Youtubeから取得しています。

前述のファン投票上位馬の生産牧場と被っていないということも注目点です。

現在のばんえい競馬では、特定の牧場から活躍馬が多く出るような傾向ではないということがわかるかと思います。

馬名生産地生産者
(敬称略)
繁殖頭数年間平均
生産頭数
アバシリサクラ池田町江口 勇2頭1頭
アルジャンノオー訓子府町岩渕 寿和13頭10頭
オーシャンウイナー浜中町舘野牧場14頭1~4頭
タカナミ幕別町野坂 清太郎不明不明
ネオキングダム釧路市山根牧場20頭10頭
令和2年度 2歳注目馬生産牧場

大規模生産牧場のご紹介

馬主の立場から考えると、生産頭数が少ない=既に買い手で一杯、買いづらそうという印象が否めないかと思います。

そこで、生産頭数の多い牧場について、ご紹介します。

2020年に能力検定合格馬を多く出した生産者となります。

「ばんえい牧場十勝」紹介ページはこちら

生産地生産者
(敬称略)
繁殖頭数年間平均
生産頭数
帯広市ばんえい牧場十勝53頭40頭
帯広市株式会社帯広有機30頭22~23頭
ばんえい競馬 大規模生産牧場

牧場の映像については、ばんえい十勝公式Youtube 12分8秒ぐらいからを御覧ください。

ばんえい競馬 レース

地域別 種雄馬の傾向について

競走馬生産において、種雄馬の選択は大事です。

ばん馬の場合、同じ地域にいる種雄馬を第一選択肢にする事が多いと聞いています。

また、サラブレッドと違い、種雄馬が繁殖牝馬のところに移動して種付けを行う方式になっています。

これは、馬運車の有無に関連していると思われます(繁殖牝馬しかいないところには馬運車がない可能性が高い)

そのため、種雄馬が移動できる範囲での種付けが基本となっています。

帯広周辺の産駒傾向(2021年当歳産駒)

ばんえいグランプリに選出された牧場の中で、生産頭数の多い牧場に関して、2021年当歳の種雄馬をまとめました。

本州出身には、町名では位置がわからないため、地図で表記しています。

種雄馬の傾向が、場所によって違うことがわかるかと思います。

地図データは、オープンデータの地図サイトOpenStreetMapJapanを利用しています。

帯広周辺
帯広周辺
帯広市ジェイワン
帯広市ファルコ
帯広市フジダイビクトリー
帯広市ミタコトナイ
帯広市テンカムソウ
帯広市ブラックシシ
帯広市スギノハリアー
帯広市インフィニティー
芽室町ナリタボブサップ
芽室町スギノハリアー
芽室町ブラックシシ
上士幌町フジダイビクトリー
上士幌町ニューカツタロー
上士幌町ミタコトナイ
上士幌町スギノハリアー
白糠町ホクショウメジャー
本別町アローファイター
本別町キンメダル
本別町インフィニティー
帯広周辺 一覧

北見周辺の産駒傾向 (2021年当歳産駒)

同じく、北見周辺の牧場で、2021年当歳の種雄馬をまとめました。

北見周辺
北見周辺
訓子府町レットダイヤ
訓子府町フクノカミカゼ
弟子屈町尚駕
弟子屈町キンメダル
弟子屈町ユウトウセイ
弟子屈町必説
弟子屈町トルネード
弟子屈町ウォータンク
弟子屈町徒作
弟子屈町タケチャンパワー
滝上町タキニシダイヤ
北見周辺 一覧

弟子屈町にある「川湯パーク牧場」では、40頭近い繁殖牝馬に多種多様な種雄馬で生産を行っています。

詳細な情報はこちらにあります。

道南の産駒傾向(2021年当歳産駒)

道南の牧場で、2021年に生まれた当歳の種雄馬をまとめました。

江差周辺
江差周辺
江差町アアモンドヤマト
江差町アサヒリュウセイ
江差周辺 一覧

ばん馬の取引は庭先取引中心

第2回馬の担い手研修会が2021年11月に行われましたが、ディスカッションにて、「取引主体は庭先」との発言がありました。(人脈がない場合は馬市場もありとのこと)

馬主として人脈を形成するには、サラブレッドであれば、

  • 馬主同士で知り合う(共有クラブ、ネット媒体でも可能)→調教師や牧場の紹介
  • セリにて馬を購入→牧場と知り合う→調教師紹介

といった方法が考えられます。

ばんえい競馬の場合は、本州に住んでいると、馬主同士で知り合うこと自体が難しい状況です。

セリ自体も、「馬市場のページ」、「ばんえい競馬 馬が買えない問題について」で触れていますが、購入が難しい状況にあります。